法的な効果が生じる約束
ものやサービスをお金で買うことを「売買契約」。人を雇い、報酬を支払うことを「雇用契約」。
電車に乗るのも、サブスクを使うのも契約です。
私たちの普段の何気ない行為の多くは契約から成り立っていて、社会の秩序が保たれています。
とはいえ、契約の度に契約書を交わしていては時間がかかってしまいます。だから普段の買い物ではお互いの合意があって契約が成立し、契約そのものは書面がなくても口頭だけでも成立するようになっています。
契約は、約束の内容の実現が「法によって保護されるもの」と言われます。お小遣いの約束をしたのに実際にもらえないのは困りますが、法によって保護されているものではありません。どうしても必要な場合は家族間でも契約書を用意しておくと、いざ反故にされたときに有利に振舞えます。
お互いあっての契約なので、絶対に合意が必要です。契約の合意があるのですから、契約の取消の合意も存在します。つまり合意の無い契約は後から取消(無効)にすることができます。
今はネットにたくさんの情報が載っていますから、ヤバイと思ったら「クーリングオフ制度」や「未成年者契約の取消」で解決する!と知っている方も多いと思います。しかし、解決しない場合も正しく理解しておくことが必要です。
クーリングオフ制度の対象外
クーリングオフは、不本意に購入した人を救うための手段です。
例えば道端で無理な客引きにあったり、訪問販売で買うまで帰ってくれなかったり、という場面で、購入した人を保護するためにある制度です。
通販での買い物はどうでしょうか?自分から積極的に買いに行くので、クーリングオフできません。(返品特約が書かれていなければできますが、基本的に書いています。)
自分の意志で店舗に行き、購入したものもできません。
未成年者契約の取消の対象外
親権者の承諾なしで契約した場合は、取り消しが可能です。
ただし、未成年者が親権者の承諾を得ていないということを書面で出すか、親権者が承諾していないと書面で取り消し通知を出す必要があります。
そして上記の場合でも、自分のお小遣いで買ったものには適用されません。
成人であると嘘をついて購入してしまった場合も適用されません。
サービス側の立場で考えると、一度買われたはずのものを「未成年だから」の一言でお金を返さないといけないのは嫌ですよね。だから、契約するときに「成人ですか?」と聞いてきます。
親のクレカを子供がスマホアプリの課金に使ってしまって…という恐ろしい話をたまに聞きます。優良なサービスならまだしも、大体の場合は「未成年者がサービス側に成人と嘘をついて」いて、最終的に親の管理責任を問われ、返金されません。
一番大事なのは、契約する前に意識する(させる)こと。
日常で契約書を交わすような契約をあまりしないからこそ、相手が自分にとって優しい人ではないかもしれないという疑いを、一瞬だけ持つようにしてください。
ちなみにリボ払いは「悪魔の契約」なんて呼ばれたり。
クレジットカードを使う際には、リボ払い設定になっていないか一度確認しましょう!